唇 寒(しんかん)集

 

99年10月24日

本日1999年10月24日からここにちょっとした編集後記みたいなのを書きます。

昔、絵画教室をやっていた時分「成瀬美術」という会報を作っていました。そのコラ

ムみたいなコーナーが「唇寒(しんかん)」で、松尾芭蕉の

「物言えば/唇寒し/秋の風」からとりました。

ついにわが家は今晩の飯が危うくなる経済危機に陥っている。それでも10月21日

(木)に横浜美術館にセザンヌ展を見に行きました。23日(土)にはサントリー美

術館(信貴山縁起第3巻)、上野の西洋美術館(オルセー美術館展)に行きました。

ただし、横浜美術館は木曜休館。たいてい休館は月曜なのにやっぱり横浜は私には異

郷の地か?

 

99年10月31日

前回ここに「ついにわが家は今晩の飯が危うくなる経済危機に陥っている」と書いて

しまったせいかどうか、変なメールが舞い込んだ。2000円の投資で600万円儲

かるという話。いくら私でも2000円なら投資できると、誰かが見込んでくれたら

しい。しかし、49歳のオジンではこの話には乗れない。やっぱり少しは世の中を知っ

ている。そんなうまい話があるわけない。しかしそれにしてもどうして私が「取り合

えず600万円ぐらいあればなぁ」と思っているとわかったのだろうか? 敵は相当

デキル。でも乗りません。地道に働きます。

ところで、やっと画像つきの「絵の話」が出来るはずだったが、どうしても月曜日の

朝までというわけにはいかなくなった。月曜の午後まででお許しください。その代わ

り超大作。油彩と彫刻の美人像を探ります。「今月の絵」も更新します。

 

99年11月7日

今日の「新・日曜美術館」はラファエル=コランの特集。明治初期の日本人画家たち

の先生だった人の話。コランはフランス人で日本の美術が好きだったという話もあっ

た。けっこう面白かったが、相変わらずなかなか絵を見せてくれない。しゃべってい

る人の顔ばかり映す。もっともっとたくさん絵を見せて欲しい。テレビで見たからと

いって展覧会に行かないということはない。そんな世古い真似はしない。そう言えば、

インターネットをやっている世界の美術館も超ケチ。ほとんど画像を出さない。こん

な小さなモニターで見たってちゃんと美術館には行きます。ケチケチするな! 

ところで昨日の夜中にやっていた「ダイスキ」は面白かった。タレントの飯島直子や

松本明子や秀ちゃんが裸婦のモデルを描き、木戸まー子先生が手直しするという趣向

だが、一般の人はあんなにも絵が描けないものかと驚いた。秀ちゃんの絵を見て木戸

先生が笑い転げるシーンは、思わずこちらも大笑い。

 

99年11月14日

いよいよ年賀状の季節が来た。来年は辰である。辰と言えば龍。これは描き甲斐があ

る。実はすでにある人から年賀状の絵を頼まれている。一応「龍」に挑戦しているが、

これはハンパな気持ちでは出来ない。ヨットとか富士山もあるからそちらで保険を掛

けておいて、とにかく龍を描き捲ろうという魂胆。

うまくいったらトップページにアップします。

また、画像つき「絵の話」の第1回で好評だった「龍の絵」を再掲載しておきます。

年賀状のご参考にどうぞ。

ところで、前回この項で女流画家の城戸真亜子さんを木戸まー子さんと書いてしまい

ました。お詫びして訂正します。この「城戸真亜子さん」が正しいかどうかもちょっ

と自信がありませんが。

 

99年11月21日

今は上野の等迦展の制作中。27日に運送屋が絵を取りに来る。百号を2枚ものにし

なければならない。今週は忙しいので更新も危ぶまれたが、ナント! 画像つきの絵

の話をがんばってしまった。テーマはセザンヌ。セザンヌ展に行った感想をちょこっ

と書いておこうとしたら、何か大作になってしまい、百号の絵よりも傑作って感じか?

ところで、私の龍の絵は来週にでもアップします。

 

99年11月28日

「オッサム・ワールド」に代わる「スーパー・クローン」のページ作りで目がしょぼ

しょぼだが、全然出来そうにない。しかも、出来ても今の「オッサム・ワールド」と

大差はない。

「絵の話―セザンヌ」の画像も悪いので、撮り直そうかとも思っているし、新作のアッ

プもやりたい。

どうも独りで全部やるのは大変である。ま、年内には出来るでしょう。

 

99年12月5日

エライことを聞いた。モニターによっては私のHPは相当奇妙に映るらしい。これを

全部修正するのは至難である。どうもpreというのを使いすぎたらしい。私みたい

なアナログ人間はこういうデジタルな機械はなかなか使いこなせない。どうもパソコ

ンの仕事がたまってきた。申し訳ありませんが、ゆっくりやらせていただきます。

 

99年12月12日

風邪をひいてしまった。私は風邪をひくと喘息になり、鼻が詰まる。ちょっと苦しい。

しかし風邪のひき方がうまく、いつも日曜日などに寝込む。今夜(12月12日)の

更新は諦めようと思ったが、一応やることにした。龍の絵や「最近の絵」を更新する。

ところで、さっきTBSの報道特集で佐伯祐三の贋作問題の絵を取り上げていた。1〜

2年前にこのHPで扱った話題だった。

 

99年12月19日

喘息がひどくなり、本格的に息ができなくなってきた。今は小康状態だが、けっこう

ヤバい。私の喘息は鼻から来る。子供の頃から鼻が悪い。今朝は近所のクリニックへ

行って吸入をしてきた。日曜日もやっている素晴しい医院。それで、今日は少しよい。

明日から仕事だから困る。富士山を描きに行くどころではなくなった。正月休みにで

も行くか? 息が詰まれば死ぬが、誰だって死ぬまでは生きている。でも多分直るで

しょう!

 

99年12月26日

喘息もぶっ飛ぶアクセス数。どうして年末はこうもアクセス数が増えるのだろうか?

しかし去年の比ではない。桁が違うのだ。一晩で100を超えるアクセスなどありえ

ないことだ。カウンターの故障だと思うしかない。

このペースでいったら年内に10000を超えてしまう。ま、もともと私のカウンター

は途中で壊れているので実際にはもっと前に10000は越しているのだが、やっぱ

り嬉しい。とにかくこれからもちゃんと更新します。

 

00年1月3日

どこで聞いてきたのか、家内が「インターネットは自己宣伝のゴミ箱」と繰り返す。

まことに至言、返す言葉がない。しかし、落ちついて考えれば、世のありとあらゆる

メディアで「自己宣伝」でないものがあろうか? 小説、評論、映画、音楽、絵画、

彫刻……。見方によってはすべてが自己宣伝と言えなくもない。しかし、熱烈な告白

は自己宣伝を超える。自己が消えてなくなって言いたいこと(=熱烈な告白)だけが

残るからである。これが表現であり、創作なのである。テレビのCMでも「創作」に

値する「宣伝」がときどき現われる。あとは天野祐吉さんに聞いてください。本日の

更新は体調不良のため「小さな話」だけです。

 

00年1月10日

ご心配おかけしました喘息はお陰様で一応収まりました。病院の先生のお話では全快

するだろうとのことでした。

喘息は直りそうですが、週間アクセス数663(12月26日〜1月1日)を記録し

た狂喜のお正月アクセス異変も元(1週間100前後)に戻りそうな気配です。しか

し、普段見てくださる「いつもの訪問者の方々」が第一。これからもいつもの方々の

ために普通どおり更新を続けます。もちろんグレたりしません。非行も少年や少女な

らまだ様になりますが49歳のオヤジではいただけません。

非行オヤジで思い出しましたが、『文芸春秋』の1月号で文化勲章画家の伊藤清永(白

日会)が日本画壇の裏側をはっきりと批判しているとの情報を掴みました。もう皆さ

んはご存じかもしれませんが、一応お知らせします。ちなみに私はまだ読んでいませ

ん。美術ファンにはけっこうなお年玉とのこと。

本日の更新は本業多忙のため「小さな話」だけです。

 

00年1月17日

ついに伊藤清永の告発を読みました。本日の小さな話にたっぷり感想を書きましたの

でそちらをご覧ください。

 

00年1月24日

文芸春秋新年号の伊藤清永の告発文をさらにしっかり読み直しましたが、あのように

偉くなってしまうと自分の絵の値段は自分では決められないものなのでしょうか? 

そこのところがどうしても理解できません。嫌だったら絵を渡さなければいいのでは?

まったく意味不明です。まことに素朴な疑問。

 

00年1月30日

このホームページを始めてそろそろ丸3年になります。つい1か月前の年末年始は毎

日100前後のアクセスがあり、「ついに俺もブレイクか!」と浮き足立ちました。

最近は元に戻ってしっかり毎週100のアクセスを堅持しております。

このHPは誰に向かって発信しているのか? 画家を目指す若い人か、絵を描くアマ

チュアか、現役の画家か、それとも絵を買ってくれそうなコレクターか、と少し前か

ら考えていましたが、そんな悩み自体がばかばかしい。

発信先は人間に決まっているではないですか!

人間が人間に語りかけているのです。問いかけているのです。当り前のことです。プ

ロもアマもコレクターもない。老いも若いもない。金持ちも貧乏人もないのです。

絵画とは人間の叫びであり、止むに止まれぬ線描と筆触の軌跡なのであります。

 

00年2月6日

数日前にウインドウズの画面で自分自身のHPを見る機会に恵まれました。わがマッ

クとは驚くほどの違い! まず色が全然違うのでがっかりしました。文字の色も苦労

して中間色を作っているのにそのモニターでははっきりした赤、青、黄色。もちろん

絵の色調もまるで別もの。そのうえ、画面がたいへん小さく見えました。ウインドウ

ズといってもパソコンのメーカーによっても違うし、個体差もあるとは思いますが、

ちょっとびっくりしました。これはページ造りを根本的に考え直さなければならない

かもしれません。

ところで、わが町成瀬に乗馬センターが新設されました。私の家から車で数分のとこ

ろ。2回描きに行きましたが、どうも近いせいか気がゆるみ、ロクなものが出来ませ

ん。ま、展覧会も目白押しですから気を緩めている場合ではないでしょう。近日中に

馬の大画伯になる覚悟で精進いたします!

本日、『小さな話』『絵の話』ともども更新ありません。すみません。

 

00年2月16日

月曜日の更新を怠り、本日水曜日になってしまいました。久しぶりの公約違反。申し

訳ありませんでした。体調は万全なのですが、さすがにこの時期は本業(塾)が忙し

く、何とかがんばろうとしたのですが、いい歳をして身体を壊すとなかなか直らない

ので、ご無礼つかまつりました。

で、本日は『今月の絵』を更新いたしました。絵の下につくコメントに新趣向を取り

入れまして6枚の絵の連載ものとしました。いかがなものでありましょうか?

しかし、本業は昨日でひとまず一段落。いよいよ今日から個展の準備に入ります。と

は言っても絵を描くだけのことですから大してエばれません。気を緩めて風邪でもひ

かないようにいたします。

 

00年2月20日

いよいよリコーさんが私のスーパー・クローン・タブローを楽天市場に出してくれま

した。皆様是非ご覧ください。なかなかいい感じに見えます。

まずはこちら入って、「リコーデジタルアートギャラリー」に立ち寄ってから、

「菊地理」をクリックすると私の絵のページに着きます。

また、来る3月4日(土)から京橋の金井画廊で『水のある風景』展が始まります。

(午前11時〜午後7時/18日まで/会期中無休)なにとぞご高覧お願い申し上げ

ます。

本日の更新はこのページだけでした。

 

00年2月27日

「楽天市場」は日本のネット上最大のショッピングモールです。出店するためには、

いろいろな条件があり、毎月の費用も安くはありません。そこにリコーさんが私の絵

を出してくれた話は前回しました。まだ出店して1週間ですが今のところ、ほとんど

反応はありません。ま、日本一のモールですから、そのうちいい知らせがあるでしょ

う。

昨日は久しぶりの休みで、真鶴半島に行きました。中川一政美術館を見て、旨い魚を

食べて絵を描きましたが、果たしてモノになったでしょうか? このことは小さな話

に書きました。

3月4日(土)からの京橋・金井画廊『水のある風景』展数点出展予定

(午前11時〜午後7時/18日まで/会期中無休)なにとぞご高覧お願い申し上げ

ます。

 

00年3月5日

いよいよ来る3月13日から新宿の日税ギャラリーで私・菊地理の個展が

始まります。31日まで。土曜日、日曜日、祭日休み。

日税ギャラリーは西新宿のアイランドタワー10階にある日税サービス内

にあります。

新宿駅から歩いて行っても10分はかかりません。

地下鉄丸の内線の西新宿からだと3分ほどです。雨が降ってもビル伝いに

濡れずに着きます。

朝10時から午後6時まで。私は最低午前中、出来れば午後2時頃まで

毎日いる予定です。

ショッピングモール「楽天市場」もどうぞよろしく。

また、3月18日(土)までの京橋・金井画廊『水のある風景』展にも

数点出展中。(午前11時〜午後7時/会期中無休)

なにとぞご高覧ください。

本日の更新は「30年目の漁港」。こちらは「小さな話」をどうぞ。

 

00年3月12日

明日3月13日から新宿の日税ギャラリーで

私・菊地理の個展が始まります。

31日まで。土曜日、日曜日、祭日休み。

日税ギャラリーは西新宿のアイランドタワー10階にある

日税サービス内にあります。

新宿駅から歩いて行っても10分はかかりません。

地下鉄丸の内線の西新宿からだと3分ほどです。

雨が降ってもビル伝いに濡れずに着きます。

朝10時から午後6時まで。

私は毎日最低午前中、出来れば午後2時頃までいる予定です。

ショッピングモール「楽天市場」もどうぞよろしく。

また、3月18日(午前11時〜午後7時/会期中無休)までの

京橋・金井画廊『水のある風景』展にも数点出展中。

なにとぞご高覧ください。

本日の更新は『今月の絵』。こちらをどうぞ。

 

00年3月19日

個展は始まってしまえば楽なのだが、普段ほとんど大人と話さないので、おしゃべり

も疲れる。自分が疲れるよりも、社交に慣れていないから相手に失礼があるのではな

いかと心配である。おそらく実際に失礼だらけなのだと思う。座る場所とか名刺の出

し方とか、わからないことばかり。第一私はネクタイもしていない。これでいいのだ

ろうか? ま、私は酒も飲まないし、煙草も吸わないから相手に実害はないと思う。

いろいろなところで失礼があり気分を壊されているかもしれないが、何卒ご容赦くだ

さい。

ショッピングモール「楽天市場」もどうぞよろしく。

本日から『小さな話』はなくなります。全部『絵の話』にし、画像なしの『絵の話』

も登場します。今の『小さな話』はそのまましばらく掲載しておきます。

で、本日の更新ですが、本日はこのページだけ。

ただし一両日中に『絵の話:個展でのQ&A』をアップします。

また、絵の話第4集も近日中に作成します。

 

00年3月26日

「で、本日の更新ですが、本日はこのページだけ。

ただし一両日中に『絵の話:個展でのQ&A』をアップします。

また、絵の話第4集も近日中に作成します。」

と、先週書いたが、『絵の話:個展でのQ&A』は結局アップできなかった。しかし、

「絵の話:第4集」は30部ほど作った(この分は日税個展分なので、ご高覧不能の

方はもうしばらくお待ちください)。さらに125部準備している。このあと350

部ぐらい作るつもり。第4集は第1集からの総集編である。第1集や第2集、第3集

をお持ちでない方も第4集さえあれば、一応ここ数年での私の言いたいところはおわ

かりいただけると思う。もちろん第3集以降の新しい部分もある。

ところで、すでに日曜夜9時を大分まわった。「ビューティフル・ライフ」が始まっ

ている。もしかしたら今日もアップ不能かもしれない。「ビューティフル・ライフ」

は国民的恋愛テレビドラマ。これを見ないと話にならないか? いや、実は今までも

ちゃんと見ていたわけではない。

*ショッピングモール「楽天市場」もどうぞよろしく。

*『小さな話』はなくなります。今までの『小さな話』はそのまましばらく掲載しま

 す。

 

00年4月2日

結局先週は「ビューティフル・ライフ」を見なかった。娘の要望でビデオに撮ったが、

おそらくずっと見ないだろう。『絵の話』はなんとかアップし、小冊子のほうも第4

集をデッチ上げた。さらに今週「絵の話」のNo71を更新した。今週は「写真と絵

画」。とうとうこのテーマに踏み込む! この「写真と絵画」で私は何人の人を怒ら

せるだろうか? どうか皆様、私を見捨てないでください。

申し訳ありませんが、今日の『絵の話』にはまだ画像がありません。出来れば明日中

に画像も付けます。……付けました。

*ショッピングモール「楽天市場」もどうぞよろしく。

*『小さな話』はなくなります。今までの『小さな話』はそのまましばらく掲載しま

 す。

 

00年4月9日

絶不調の真っ最中であります。描けでも描けども絵ができません。昔描いた絵を見る

と「これを本当に俺が描いたのか?」と昔の自分が遠い人になってしまいます。葉山、

真鶴、また葉山と何度行ったり来たりしたことか! 私の絵は安いから取材費も出ま

せん。そのうえ、桜も全然ダメ。こんな調子では絵ができる前に今年の桜は散ってし

まうでしょう。もっとも3号1枚だけできています。しかし、展覧会が目白押しのこ

の時期、3号1枚ではお話にもなりません。

本日、待望の水墨画シリーズを更新しました。

*ショッピングモール「楽天市場」もどうぞよろしく。

*『小さな話』はなくなります。今までの『小さな話』はそのまましばらく掲載しま

 す。

 

00年4月16日

幸運にも4月13日朝、絶不調を脱しました。東雲寺の桜が終わるギリギリの朝でし

た。F15号の桜は久しぶりの自信作! 翌日の裸婦にもいいのがチラホラ。ところ

が、土曜日からは豊橋展の準備でしばらく描けません。好調は長くは続きません。

ま、またそろそろ描いてみますが、あの感じが続いているかどうか?

というわけで、ホームページの更新もできませんでした。1回休みでご容赦くださ

い。その代わり自信作の桜をタイトル画に使いました。

*ショッピングモール「楽天市場」もどうぞよろしく。

*『小さな話』はなくなります。今までの『小さな話』はそのまましばらく掲載しま

 す。

 

00年4月23日

ついにキャンバスが底を尽きました。実はキャンバスはまだあるのですが、木枠がな

くなり、取り寄せたら4号を忘れていました。それだけで何か張る気が起こらず、無

気力です。がんがん張ってじゃんじゃん地塗りをしてばんばん描かなければ! 水曜

日の裸婦クロッキーはキャンバス不足になる模様。

明日から大分美慶展が始まります。タイトルの「遠いヨット」は最初相模原のフクヤ

マ展に発表した絵ですが、その後、新宿の日税さんにずっと飾ってあり、京橋の金井

画廊では「水のある風景展」で並べていただきました。日税の油谷部長も金井さんも

気に入ってくれた絵でした。今回美慶さんの個展のタイトルが「初夏の風」なので、

大分出展となりました。今週のビッグニュースはついに金井画廊がホームページを立ち上げました。是非ご覧

ください。こちらです。

ところで、本日も更新はこのページだけになるかもしれません。「ゴーストバスター

ズ2」と「K1」を見てしまいました。ご免なさい。ただし、わがリンク集の「おす

すめホームページ」には金井画廊を加えました。

*ショッピングモール「楽天市場」もどうぞよろしく。

*『小さな話』はなくなります。今までの『小さな話』はそのまましばらく掲載しま

 す。

 

00年4月30日

ただいまキャンバス張りの後遺症で左手の平が内出血状態です。34枚張っただけ(ス

トックと合わせ45枚)なのに、何とも情けない。ま、これで5月のキャンバス不足

はないでしょう。絶対15枚は失敗しますから。

今週のビッグニュースはメール情報から「長谷川利行展」。やはり長谷川は不滅です

ね。東京駅のステーションギャラリーに巡回するのが11月ですが、待ち切れないの

で鎌倉の近代美術館(5月末から)に行くことになりそうです。ま、しかし、だいた

い見た絵ばかりなのですが。

●没後 60年 長谷川利行展●

http://www.tokyo-np.co.jp/event/bijitu/hasegawa.htm

5月27日(土)−7月 9日(日) 神奈川県立近代美術館

7月16日(日)−8月20日(日) 宇都宮美術館

10月14日(土)−11月19日(日) 東京ステーションギャラリー

ところで、本日の更新はこのページと作品展示会のお知らせが少しだけです。

*ショッピングモール「楽天市場」もどうぞよろしく。

*『小さな話』はなくなります。今までの『小さな話』はそのまましばらく掲載しま

 す。

 

00年5月7日

昨日で大分の美慶展が終わり、明日から京橋の金井画廊展です。金井画廊までの道順

「お知らせ」のページでご覧ください。私が開発した散文式道案内が知らず知らず

のうちにあなたを金井画廊に導きます。金井画廊ではこのHPの「絵の話」をまとめ

た小冊子を用意してお待ち申しております。

ところで、「今月の絵」が3月のまま。新作はどんどん描いているのですが、ついデ

ジカメに撮るのを忘れてしまうのです。展覧会場の風景も全然撮ってありません。新

宿日税展も豊橋展も撮ってないのです。金井展も忘れそう。

そして今夜も「絵の話」もないし、「今月の絵」も不可能。

5月8日「今月の絵」を更新!

*『小さな話』はなくなります。今までの『小さな話』はそのまましばらく掲載しま

 す。

 

00年5月14日

京橋の金井展が始まったと同時に平均株価がどんどん落ち、17000円を割り込み

ました。なんという素晴しい世の中でしょう! 金井さんは「こういうタイプの絵は

株価なんかに影響されませんよ」と言ってくれるのですが、やっぱり頭を抱えます。

神様の仕打ちに負けないように、私も夜遅くまで「絵の話」の小冊子を製本していま

す。1冊8分かかります。20冊だと160分。ほぼ3時間にも及ぶのです。夜9時

から始めると午前様になってしまいます。ま、個展会期中は商店の大晦日、農家の田

植え時期と同じですから死ぬまでやるっきゃありません。まだまだ無理は利きます。

株価なんかには負けましぇーん(なぜか、武田鉄也)。

景気は京橋から私が回復させて見せます!

 

00年5月21日

常軌を逸した個展ラリーも京橋の金井展まで何とか無事に終わった。絵は6枚買って

貰えた。金井さんが設定した第一目標の売り上げはクリアした(と思う)。この不景

気にありがたいことだ。次の横浜展にも新作30点は欲しい。裸婦は当り前として、

海とバラと馬、近所の公園の猫。昨年からの課題「うさぎ」もクリアしたい。

それにしても雨に濡れるバラには目を見張る。ぞくぞくするほど心ひかれる。まった

くわれわれはいいところに住んでいる。5月は最高の季節か?

さて、今後のホームページだが、以前にもちょっとお知らせしたことがあるが、10

年ほど前に私が書いた小説『禅林の画人』を連載する(7回ぐらいか?)。これは人

物往来社の歴史小説新人賞に応募して一次だけは通った。それでも5〜6倍の競争率

だった。次に同じ小説を少し変えて朝日新聞社の月刊ASAHI(この雑誌は今はな

いらしい)の新人賞に応募した。これも一次だけ通った。こっちの競争率は7〜8

倍。下手な大学受験より難しい。もっとも新人賞は大賞を獲らなければデビューでき

ない。大賞は2次選考をパスし、3次選考に残らなければならない。これだと競争倍

率は800倍ぐらい。世の中甘くない。

私が小説を応募しているころ、この前の長者番付作家部門で第二位になった内田康夫

さんも盛んに応募していた。あの人もけっこうあちこちで落ちている。だから落選

した小説が必ずしもつまらないとは限らないのだ(ちなみに私は内田さんの小説はま

だ一本も読んでいない。ゴメン)。私の『禅林の画人』は図版をたくさん入れて今ま

でにないビジュアル系の絵画小説という新ジャンルだと思って楽しめばけっこういけ

るはずである。

このホームページではふんだんに図版を入れて宋元の水墨画劇画のような仕立てにす

る所存。

しかし、例によって今晩はちょっと図版は入らない。明日か明後日の朝までには図版

も入れて置きます。ご容赦あれ。

『禅林の画人』は前回の「絵の話」に出て来た可翁なども登場する(当然「ぬれ雀」

も出て来る)鎌倉末期から南北朝時代の話。もっとも話の舞台の半分以上は中国なの

で、あちらは元代。登場人物はほとんどすべて実在した禅画僧で時代考証などもちゃ

んと調べた(つもり)。この小説を書いたときは町田の図書館に通い、コピーも山ほ

ど取った。専門家が見たら大笑いかもしれないが、私としては充実の一時を過ごした

のだった。

それでは、第一回をご覧ください。

 

00年5月28日

上野の等迦展は100号を描くため、個展はいろいろな絵を休まず描き続けるために

やってきた。このHPも、バーチャルで絵を発表すれば、どんどん描くだろう、実際

の個展をやるよりは楽だろうと思って始めたのだ。それがどういう風の吹き回しか、

以前よりもずっと個展の回数が増えてしまった。絵はそんなに変わっていないと思う。

たくさん描いているから少しましになったかもしれない。その分、正業がおろそかで

ある。だから依然として暮らし振りは苦しい。横浜展が終わったら本気で何とかしな

ければならない。何が何でも何とかする! 

ところで、秋からの個展が入り始めた。新宿の日税ギャラリーで秋季展をやってくれ

る。もしかすると福岡でも同時にやるかもしれない。

ところで、この前大きなオークションの絵と落札価格を見た。20年ぐらい前は8号

で30万円もした画家の絵がナント2000円。額縁代どころか絵の具代にもならな

い。まったく驚くべき安値。なかには知っている絵描きもいて飽きれ返った。ま、30

万の絵は20年掛けておけば、1日41円強の値段。毎日41円ずつ眺めたと思えば

諦めもつくか? 好きで買った絵なんだからそう考えるしかない。プレミアムはオマ

ケである。いつも申し上げるように絵では儲からない。ま、私は2000円にならな

いように、出来れば2000万円ぐらいになるように一応は頑張ってみるつもりであ

る。頑張るといっても大したことはしない。ただ好き勝手に描き捲るだけ。売り絵は

描かないということ。売り絵はいらないのだ。2000円でも高いぐらいなのだ。左

脳で描くから2000円になってしまう。右脳を使えばもう少し付加価値が出ると思

う。だって古典絵画はすべて右脳で描かれている。最近の絵はほとんど左脳絵画。松

尾芭蕉が言っている「寝覚めの分別、何事をか貪る。愚かなる者は思うこと多し」と。

また、キルケゴールは「人は思考すればするほど実存から遠のく」というようなこと

を言っていた。この場合の「思う」とか「思考する」とかは左脳の活動であることは

まず間違えない。さっきもボナールの版画集を見ていたが、どうしてもやっぱり右脳

で描いているとしか思えない。

ところで、今夜の「絵の話」は「フェルメール的主題」。文章よりも画像で勝負! と

いう感じか。

「禅林の画人」2は来週までお待ちください。

 

00年6月4日

複製画の時代が必ず来ると思う。いや、「来る」のではない。「創る」のだ。私たち

が、というより、私が複製画の時代を切り開かねばならない。

複製画は版画ではない。ここのところをはっきり区別する必要がある。エスタンプス

とか(怪しげな)リトグラフなどというややこしいものではなく、はっきり「複製画」

と銘打ったほうがいい。また、限定数は絶対に守らなければならない。これをいい加

減にすると複製画の夢は消え失せる。どうしても再版する場合は「再版」とはっきり

記し、限定数により価格を決めるべきである。最初の価格も納得のゆくものであるべ

きだ。

私が4年前から注目しているリコーのデジタルアートは、専門の人間がパソコンで原

画に近い画像処理を行う。これをプリンタに連動させるソフトが難しいが、リコーが

開発した。プリンタは先進のカラーコピー技術を応用したレーザープリンタである。

注文に応じて一枚一枚出力できる。難を言えばA3までの大きさしかない。油絵の4

号までが原寸で得られる。10号まで欲しいところだ。しかし、布眼のキャンバス地

に直接プリントアウトするので、着彩も出来るし木枠に張ることも出来る。耐光性や

耐水性などは今のところ問題ない。こればかりは30年ぐらい見てみないと結論が出

ない。リコーでは大丈夫と言っている。

一枚の絵は一曲の歌、一本の映画、一作の小説と同じなのだ。ドガは「絵描きが引く

一本の線は小説一冊分に匹敵する」などと物騒なことを言ったが、私はそこまでは言

わない。小説家と口で喧嘩して勝てるわけがない。私の言うのは「一本の線」ではな

く「一枚の絵」なのだから勘弁して欲しい。少なくてもそれぐらいの価値で見て貰わ

なくては絵描きはどんどん堕落する。美術界は腐ったままでそのうち消滅する。

なんとしても複製画の時代を創り出すのだ。多くの人が楽しめ、絵描きが純粋に画業

に取り組めるシステムを打ち立てるのだ。ちゃんと絵で飯が食える販売方法を考え出

すのだ。それには複製画しかない。

そんなにどんどん傑作は出来ない。われわれは機械ではないのだ。正直言って飯が食

えるほど傑作を生み続けることは絶対に不可能である。私みたいなスーパーペインター

だって無理なのだ。普通の絵描きでは絶対に出来ない。だからインチキな絵になる。

世の中はインチキな絵で埋め尽くされている。

みなさん、いい世の中にしなくてはダメです。つまらない絵は巨匠の真筆だろうと何

だろうと買ってはいけないのです。つまらない絵とそれを知ってて売り続けるデタラ

メ絵描きは世の中から一掃するべきなのであります。

絵を愛するならマジ(本気)にならなければダメです。

「絵では腹一杯にはならない、絵なんてなくても生きて行ける」だからこそ絵は重大

なのです。どんな絵があったか、どんな絵描きが受け入れられたかで、その国の文化

レベルが知れます。今の日本の画壇を見ていると、日本経済がガタガタになるのもよー

く納得できるのです。

ところで、今夜の「絵の話」は「禅林の画人」2。たっぷり画像を入れます。

 

00年6月11日

今日で今年前半の個展ラリーが終わった。なんか物凄くたくさん絵を描いた数か月で

あったように感じる。実際にはそんなに描いていないのかもしれない。しかし、いや

にたくさんキャンバスを張ったし、地塗りもした。誠にキャンバス張りと地塗りは辛

い。実は今も少し追われている。これから正業に励んで9月の後半からまた絵を描き

捲りたい。もっとも、7月までは裸婦の予定がしっかり入っているし、夏休みは風景

を描かねばならない。しかし、気分的にはのんびり描ける。こういう時の絵がうまく

行く場合もある。とにかく枚数だけでも昔の偉い絵描きに一枚でも近づかなくてはな

らない。

ま、今日は搬出で疲れているからこの辺にしておく。更新も「禅林の画人」3だけ。

画像は明日以降に入れます。

 

00年6月18日

6月15日鎌倉の長谷川利行展に行った。帰りに国宝館に寄った。利行展をやってい

る神奈川近代美術館も鎌倉時代の仏像の傑作を集めた国宝館も鎌倉の鶴ヶ岡八幡宮の

境内にある。

長谷川利行展は絶対おすすめ。ぜひ見てください。わがHPも今回はこの長谷川利行

展を記念して第二回目の長谷川利行特集をお送りする。タイトルは「いい絵は売れな

い」。

15日の鎌倉行きでは、北鎌倉の建長寺にも立ち寄って写真をいっぱい撮り「禅林の

画人」に挟もうとウキウキ想を練っていた。しかし、「禅林の画人」はわが家族では

たいへん不評で、家内からは「直ちに打ち切り!」と宣告されてしまった。どうも身

内は手厳しい。もっとも15日は肝心のデジカメを忘れたから話にならない。そうい

う事情もあって、とにかく今回は「禅林の画人」は休み。実は「禅林の画人」以外に

もいろいろ恥ずかしい小説があるにはある。しかし、それは「禅林の画人」以下。読

めたものではない。それより宇宙や原子の大きさを体感する「大きさ体験ノート」と

いうのがある。こっちはかなり面白い。面白いが、絵と全然関係ない話。ま、「特別

レポート」とかなんとか銘打ってつじつまを合わせる手も一応はある。とにかく「体

験ノート」はけっこう読める。しかし、「禅林の画人」も今まで3回連載した。あと

4〜5回で終わるのだから、最後まで載せましょう。もっとちゃんと画像を入れて、

画像説明もきっちりやればカッコもつくだろう。1300年頃の日中の水墨画事情の

一端とその雰囲気を紹介出来れば小説のストーリーなんてどうでもいいのである。

ところで、面白いホームページがある。私のページでもときどき登場する将棋の米長

邦雄永世棋聖のページ。勝手にリンクしたので是非見てください。大きい文字でわか

り易くページも軽い。内容は充実。毎週更新。まさしくホームページのお手本であ

る。

ついでに、最新ニュースとして、横浜のギャラリーボールドでも私の絵を取り扱って

くれることになった。まず、売れっこないと思うが。

 

00年6月25日

今日から「オッサム・ワールド」改め「クローン美術館」とする。ずっと前からの構

想だったが、テキストができずにお蔵入りしていた。

リコーさんが楽天市場のヘッドページに私の絵を掲載し続けているので、私としても

一肌脱がないわけにはいかない。49のオジンが一肌脱いでも郷ひろみというわけに

はいかず、みなさんに迷惑なので目をしょぼしょぼさせてパソコンと闘った。とにか

くテキストはデッチ上げた。

とにかく、どんな具合か一度ご覧ください。しかし、ウインドウズだといろいろヘン

に映るかもしれない。順次修正して行くのでご容赦ください。

長谷川利行展は絶対おすすめ。ぜひ見てください。わがHPも今回はこの長谷川利行

展を記念して第二回目の長谷川利行特集をお送りする。タイトルは「いい絵は売れな

い」。

 

00年7月2日

前から言っていることだが、精密描写は絵画の基本だと思う。具象絵画の範疇でなら

私のような絵の対極に当たる絵だ。最近の人が描いた精密描写でも私はつい感服して

しまう。「こういう絵はダメですか?」と近しい年下の人に示すと「そんな絵のどこ

がいいんですか?」と馬鹿にされる。それじゃあフランスアカデミズムのジェローム

はどうか? カバネルはどうか? ピコは? ブグローは? と比較してみると、ど

うもブグローはちょっと凄い。とにかくゴッホも褒めている画家なのだ。肌の表現が

一段と複雑である。他を圧している。みなさんもよく見比べていただきたい。もちろ

ん画集で十分である。鉛筆で模写をすると更によくわかる。ここでアングルと比べて

みる。アングルはもっと凄い。アングルはドガが最後まで尊敬していた画家だ。以前

にも画像を交えてお話ししたが、ブグローの描く顔はどうも品がない。アングルの顔

は文句なくいい。ブグローはうまいがやっぱりつまらない。しかし、そのうまさは並

外れたものだ。滅茶苦茶うまい。完璧である。

と、本日の更新は「今月の絵」。「禅林の画人」はもう一回休みます。「クローン美

術館」の不備なところも少しずつ修理している。今しばらくのご容赦を。

長谷川利行展は絶対おすすめ。ぜひ見てください。わがHPも今回はこの長谷川利行

展を記念して第二回目の長谷川利行特集をお送りする。タイトルは「いい絵は売れな

い」。

 

00年7月9日

近所の図書館が新しいビルに移転し、新規オープンとなったので出かけた。そこで

ちょっと読みたい記事があったから「新潮45」という雑誌を借りてきた。これは実

に面白い雑誌だ。第一、どのページを開いても文章が抜群にうまい。読ませる。また

扱ってるテーマもこっちの野次馬根性をくすぐるようなのばかり。これなら買ってで

も読みたい。

その167ページ(2000年5月号)に、仁科薫という人の「ニホン語とブンガク

の『今そこにある危機』」というレポートのなかでの引用部分に目が止まった。引用

は福田和也の「作家の値うち」という本から。「どう見ても活字に値する価値のない

作品が、つぎつぎに権威ある文芸誌に掲載されるだけでなく、高名な賞を受賞する。

一方できわめて優れた作品が、何の反応も評価も受けないままに消え去っていく。こ

うした光景が、一部の偏向としてでなく、有力な作家や一流の編集者の構成する場の

中心で行われているのだ」

この「作家の値うち」という本は「現役作家100人の主要作品を100点満点で採

点した画期的なガイドブック」と仁科さんは褒めている。私もそのうち読んで見たい。

しかし、絵の世界だけでなく文学の世界でも同じようなことが起こっているものだと

驚いた。私の「禅林の画人」が一次にもせよ文学新人賞を通過するということ自体、

文学界の貧困さが伺える。

と、その「禅林の画人」の続きをアップした。どれぐらい酷いかじっくり読んでくだ

さい。また、夏向きに「今月の絵」パート2としてヨットと船を1週間だけアップす

る。引き続きご覧になりたい方は「たっちゃんハウス」でどうぞ。

鎌倉の長谷川利行展が今日で終わちゃいました。次は宇都宮。ぜひ見てください。絶

対おすすめ。わがHPも今回はこの長谷川利行展を記念して第二回目の長谷川利行特

をアップ中。鎌倉の展覧会を見た感想です。

 

00年7月16日

先週「新潮45」を大分褒めたが、あれからいろいろなところを読んでみると、大し

た雑誌ではないとわかった。特に石原都知事の教育改革を支持していた教育論は酷かっ

た。書いた人の身分は世田谷の小学校の職員とあった。名前は覚えていない。本は図

書館に返してしまった。とにかくそれは子供のことを全然考えていないし、第一中学

生というものを全然知らない人間の発言である。滅茶苦茶な教育論と言える。

ところで、そろそろ夏休みになります。わがHPも夏休みに入ります。できるだけ更

新するように努めますが、更新のなかったときは夏休みだとお考えください。一応9

月から完全復活の予定。

今回も少し更新らしき体を見せてはいるが、実はほとんどやる気なしでした。

 

宇都宮の長谷川利行展が始まりました。ぜひ見てください。絶対おすすめ。わがHP

も今回はこの長谷川利行展を記念して第二回目の長谷川利行特集をアップ中。鎌倉の

展覧会を見た感想です。

 

00年7月23日

1か月ぐらい前に朝日新聞の書評に載っていた「タオ 老子」という本を買った。新

聞を見た直後、ちょうど銀座のくまざわ書店の絵を交換に行ったので、たまには本を

買わねば、と探すとすでに売り切れ。大した人気である。この前近所の本屋にあった

ので買ってしまった。

実は私は高校の頃から老荘思想に興味があった。なんたって大学は東洋哲学専攻であ

る。ところが、実はちゃんと老子を読んでいない。荘子はかなり読んだし、孔子孟子

も少しは目を通した。数年前も老子でも読むかと思ったら、「老子は政治的でつまら

ない」とかなんとか聞かされて止めてしまった。老子はたいへん短いのだからすぐ読

めるはずなのだ。大学では絵ばかりやっていたが禅画の影響もあって仏教のほうに行っ

てしまった。とは言っても大したものは読んでいない。新書や文庫の入門書の類にざっ

と目を通した程度だ。それでも若い頃読んだので今でもけっこう覚えている。漢文も

少しはわかる(ホンノ少しである)。

さて、「タオ 老子」だが、なかなか面白い。とにかくこういう本がなければ一生老

子を読まずに終わるところだった。今まだ半分ぐらいだが、全然政治的ではない。やっ

ぱり哲学的である。1700円+税。

ところで、私がどうやって生き延びているか、不思議に思っている方も多いと思う。

私と私の家族の暮らしは昨年の9月頃で終わっていたはずだからだ。しかし、まだ生

きている。さっきはスーパーカップ(明治製菓のアイスクリーム)を食べた。ちゃん

と食っている。実に不思議である。去年は貯金を使い果たし、今年から借金生活に入っ

ている。借金といってもサラ金ではないのでそれほど心配はない。だいたいいつも借

金はしているのだ。そして、今年の前半は正業をほっぽらかして個展三昧に明け暮れ

ていた。正業に本腰を入れたのは6月の後半から。しかし、今何とか立ち直りの様相

を呈してきた。もう少し頑張れば9月からは大丈夫。来年以降もしばらくは生きてゆ

ける感じ。更に真面目に頑張れば借金も返せるかもしれない。そうなれば人並みに「老

後の心配」なんてことも言えるか? なんてったって、私は7月22日で50歳なの

だ!

更新についてですが、夏は忙しいといっても、やっぱり夏休みなのでけっこう暇かも

しれません。だから大々的に更新ができるかも知れません。よく考えてみると、HP

の更新は道楽なのだから休みにせっせと頑張らなければならないわけであります。

 

00年7月30日

わたしが最高にお薦めするHPは将棋の 米長邦雄永世棋聖のページ。その米長さんが

怒っている。サザンオールスターズのコンサートに3万6千人の予約があるのに、将

棋界最高の羽生と谷川の棋聖戦で、しかも解説が米長邦雄という超ウルトラデラックス

カードになんと60人のファンが集まらないという。

7月31日(明日)の夕方から。ちなみに私は仕事で行けない。たぶん仕事がなくて

も家で寝っころがっていると思う。

それにしても、こんなことで怒っていたら絵なんて描けません。私の横浜展なんてほ

とんど人が来なかった。もちろんサザンオールスターズや羽生vs谷川で解説が米長

なんていうレベルとは比べられはしないが、私の個展はけっこういい展覧会なのであ

る。少なくともそこらの美術雑誌が取り上げる新奇で大袈裟で人を驚かすような展覧

会ではない。売り絵はないからガツガツしていない(もちろん、売れるものなら売れ

た方がいいにはいい)。あとでゆっくり思い起こせば、日本一の展覧会なのではない

か? ま、自分で描いた絵を並べてそのなかに一週間いられるだけでもハッピーであ

る。来場を求めるのは図々しい。しかも売りたいなど、とんでもない贅沢である。

 

00年8月6日

大不評小説「禅林の画人」のテキスト部分の掲載は今回で終了する。「テキスト部分

の掲載」というのは、画像とその解説部分をほとんど入れていないからだ。「禅林の

画人」は超ヴィジアル系の小説なので画像がなければ面白味は半減するどころか全然

ない。これから夏休みに入るので、頑張って入れようかと少しだけ考えている。何し

ろ今年の夏休みは金がないないから遠出はできない。時間ばかりがある。家に居るほ

かはない。近所のプールと図書館とパソコンの日々になるらしい。少しは絵も描くか?

というわけで、掲載はしているが「禅林の画人」を読むことはお薦めできない。画像

と画像解説が入ってからお読みいただきたい。作者自身が言うのだから間違えない。

そんな変なものを掲載している私っていったい何なのだろう? 本当に御免なさい。

もちろん私は読んでいる。

ところで、「禅林の画人」に登場するお坊さんは全員実在したはずの人。生没年など

もおおよそ合っている。ただ、主人公の黙庵霊淵だけは美術書に載っている年齢より

引き上げてある。美術書に従うと若すぎるからだ。そんな若さであれだけの絵が描け

たとは考えにくい。美術書の記載も確証があるわけではないのだから、多少変更して

も構わないだろうという勝手な判断。また、羅窓翁も90歳以上長生きしている設定

だが、羅窓の正確な伝記はない。法諱(ほうき=僧としての下の名前。黙庵なら「霊

淵」)さえわかっていない。

私が「禅林の画人」を書き上げた後で至文堂から日本の美術「水墨画―黙庵から明兆

へ」(海老根聰郎)という本が出た。1600円の薄い本である。今も書店にあると

思う。この本には黙庵の足跡が簡略明快に記してある。図版も多い。評論文には不満

もあるが、資料として十分すばらしい出来。この本がもっと早く出ていたら私はどん

なに楽だったことか!

この本には黙庵の年齢には触れていないが、中国に渡ったのが1330年前後、没年

が1345年となっている。15年間中国にいて没した計算になる。別の美術書(集

英社「日本美術絵画全集1」可翁/明兆・金沢弘)で中国に渡った時期を25歳前後

としているが、これだと約40年の生涯となる。これでは若すぎるから私は留学の年

齢を思いきって20年ほど引き上げた。絵の成熟度から推せば妥当なところだと考え

ている。

私のHPに「図版掲載」「図版解説掲載」がちゃんと載ったら是非読んでみてくださ

い。載せるのは私なので何時になるのか当てになりませんが、出来るだけ頑張ります。

 

00年8月20日

8月13日(日)の更新は出来ませんでした。家内の実家の豊橋の近所の海や山で遊

んでいました。申し訳ありません。本日も無理そうです。本日は仕事のため。

見栄で表紙だけ変えておきました。

確約は出来ませんが、8月22日に少しは更新出来ると思います。

 

00年8月22日

8月13日(日)の更新は出来ませんでした。家内の実家の豊橋の近所の海や山で遊

んでいました。申し訳ありません。本日も無理そうです。本日は仕事のため。

見栄で表紙だけ変えておきました。

確約は出来ませんが、8月22日に少しは更新出来ると思います。

と、書いたらもう8月22日。本日は「今月の絵」と「禅林の画人」1の画像解説を

入れた。今、この8月10日に発売された「実証 写楽は北斎である」(田中英道著

祥伝社)を読んでいる。8月はお盆でもあるし、「写楽は北斎に決まってるじゃあね

えか。一目見ればわかる」と豪語していた父親の供養にしっかり読み込んでいる。こ

の本の紹介はおそらく8月末までには出来ると思う。ちなみに27日はまず無理。今

日図書館で写楽と北斎関係の本を数冊仕入れて来た。ついでに「タオ 老子」(加島

祥造)は読み終えたが、すらすら読めてしまったのであまり印象がない。ま、買って

損はない本だと思う。できれば一般の朝日文庫(福永光司)あたりの「老子」を参考

にしながら格闘することをおすすめする。ちなみに私はまだ闘っていない。

 

00年8月27日

8月27日(日)の更新は8月22日に書いたとおり表紙だけです。今回、更新が出

来ないのは仕事(本業)のためです。

写楽別人説について、修業を積んだ絵師で歌舞伎に詳しく相当の腕の持ち主となると、

やっぱり北斎か歌磨。他には考えにくい。たとえば梅原猛さんの主張する豊国は絶対

にない。梅原さんは文化勲章受賞者で、自ら「哲学者」と名乗っているが、まことに

日本文化の程度が知れてしまう。わからないことには口を出さないほうがいい。写楽

と豊国ではデッサン力が全然違う。梅原さんは「無知の知」(ソクラテスの言葉)を

知らない哲学者である。むかし仏教に関しての本も読んだが、仏教の根本をご存じな

いと思った。そういえば、小林秀雄の「近代絵画論」も酷いし「ゴッホの手紙」も酷

い。何も知らないでよく一冊分もデタラメが書けるものである。梅原さんや小林さん

の本業の業績は知らないが、あんなものを残しているところを見ると本業の方も疑り

たくなる。梅原さんは京都大学を出ているから関西の人だと思っていたが実は仙台の

出らしい。仙台は将棋の中原名人の出身地だから聡明な人が多いはずだ。京都には江

戸時代から学問の素地がある。学生のとき伊藤仁斎の業績に触れて感服した覚えがあ

るからだ。たいへん厳密で地に足の着いた学究の姿勢を見せられた。どうも梅原さん

とは大違い。

ま、写楽については、どの説も読めば読むほど納得してしまう。しかし絵を比べると

どうももう一つ頷けない。ただ「これは北斎だな」という絵が一枚だけある。それは

図版も入れて数日のうちに「絵の話」でお見せする予定だ。乞う、御期待!

 

00年9月3日

最近のアクセス情報。4月568、5月633、6月669、7月507、8月504

とジリ貧である。8月に豊橋の本屋で最新のホームページの電話帳を立ち読みしたら

私の「イッキ描き」が復活していた。しかし、ジリ貧。ま、気にしない、気にしない。

一生懸命ページを作っていれば必ずいつか報われます。

というわけで、本日は大作「写楽は北斎か?」を作りました。どうぞご覧ください。

 

00年9月10日

7月の体重が75キロを大きく上回って76キロに迫る勢い。普通にしていても腹が

出ているのがわかる。ま、カッコはどうでもいいが、あまり太ると膝が痛くなるのが

困る。年中2キロとか3キロの荷物を担いで歩いているようなものだ。

そこでダイエット!

実は私はダイエットには自信がある。若い頃お釈迦様の真似をしようと夕食を抜いた

ことがある。もちろん肉や魚、卵などは一切食べない。今でも肉だけは食べない。そ

の頃はキャンバス会社と美術研究所に自転車で通っていた。自宅から数えると往復20

キロの道のり。夕食抜きで仕事(けっこう肉体労働が多い)を1日して、夕方から絵

を描く。帰りは10キロのサイクリング。空腹のため朝は5時頃目が覚める。朝飯の

うまさは言語を絶する。これで1か月で5キロ痩せた。命にかかわるといけないから

すぐ止めた。1ヵ月間だけの仏教徒であった。

今回のダイエットはとりあえず2キロも痩せればいい。水泳、食事を減らす、なるべ

く歩く、これだけで2か月で2キロ以上痩せた。今のところ腹は引っ込んだ。まだま

だ油断は出来ない。ま、来年までに5キロぐらい痩せればいいか? 私は身長が180

cm弱だから68キロぐらいで標準だと思う。もっともいつも言うように来年まで生き

ているかどうかの保証はない。ま、しかしこれは誰でも同じこと。私のはただ経済的

に切迫しているだけ。計算上では10月いっぱいは持つ。この前までは9月いっぱい

だったが、ここでちょっと頑張った。もちろん更に頑張る予定。精神、身体ともにい

たって健康なのでまず乗り切れると思うが、何の確証もない。

本日の更新は前回の続き「続・写楽は北斎か?」です。どうぞご覧ください。

 

00年9月17日

週間経済報告。夏の疲れが出たためか、仕事が乗らずだらだら過ごす。9月も半分過

ぎてしまった。とにかくやるべきことはすべてやって諦めるなら諦めたい。

週間ダイエット報告。こちらは順調。水泳も快調。本日はソープになる。現在72キ

ロ台。

ところで、若い頃はよく女性に振られた。大雑把に数えても7回は失恋している。

(以下「学校へ行こう」のノリで、屋上で叫ばせて頂く)「オレを振った女どもぉ!

いつか必ず『あいつを選んどきゃよかった』と言わせて見せると思ってきたがぁ、と

うとうオレも50歳と2か月になってしまったぁ。……ここでじっくり考えて見る

とぉ、やっぱオレを選ばなかったのはぁ、正解だったぁー。みんな、おめでとう!」

美術関係。上野のアムステルダム美術館展に行く。金がないから美術展はできるだけ

パスする方針だったが、レンブラントの「聖パウロに扮した自画像」が来ているので

見に行った。

というわけで、本日の更新は「永遠のレンブラント」。私が若い頃から感動してきた

レンブラントばかりズラリとお見せします。

 

00年9月24日

週間経済報告。恐怖の月末。ま、しかし、9月は何とか切り抜けられるハズ。問題は

10月と11月。12月に入れば、また乗り切れる。10月と11月をどうやって切

り抜けるか? 絵はさっぱり売れないが、健康状態はいたって良好。精神状態も正常

快活。

週間ダイエット報告。順調。水泳も快調。現在72キロ台前半に突入。

美術関係。レンブラントの余韻消えず。レンブラントに明け暮れる。ダナエの顔を模

写。やっぱり顔を描かせたらレンブラントは超一流か? 

日本の巨匠は情けない。私が画材メーカーに勤めていた頃、ある在野の美術団体の女

流画家からキャンバスについての問い合わせがあった。レンブラント絵具か何かの話

になったら、何とレンブラントを知らない! ちょっと説明すると「ああ、泰西名画

の。私は古いものは見ないから」と来た。まことに驚く。その画家が2〜3年前ある

美術新聞で、日本の洋画家の代表としてアメリカに行ってシンポジウムに加わったと

いう。何を語ったのか恐ろしくなる。

「仮に世界に、それまで絵画というものが無かったにしてもレンブラントによって創

り出されたであろう」とまで言われた画家がレンブラントなのだ。ゴッホはレンブラ

ントの作品群の前で「これらの絵は炎の手によって描かれた」とつぶやいたと言う。

彫刻家のロダンはレンブラントをたいへん尊敬していた。それはもうミケランジェロ

を尊敬する以上に。岩波文庫の「ロダンの言葉」にはレンブラントへの賛辞でいっぱ

いである。

絵画を純粋に追及する以上、絶対にレンブラントに行き着く。絵画を慈しみ、絵画を

心底愛でるなら、レンブラントの絵の前で平伏しないものはいない。心あるすべての

画家は必ずレンブラントに私淑する。レンブラントを見ていると、もうそれだけで幸

福である。模写をすればその奥深い世界に驚嘆する。自分の絵なんてどうでもいい。

レンブラントを見て、模写をして、自分も真似して少し描いて、いつかどこかで静か

に死にたい。そういう気持ちになってくる。

というわけで、本日の更新は「真夏の裸婦と水辺2」です。私が若い頃から感動して

きたレンブラントへの巡礼紀行・「永遠のレンブラント」(先週更新)もご覧くださ

い。

 

00年10月1日

週間経済報告。かなりやばいながらも、まだ生きています。とにかく今月と来月を乗

り越えれば(雪印のような大事件が起きない限り)2〜3年は安定するハズ。絵が売

れたらギリシアだって行けるかも。

週間ダイエット報告。順調。9月中に2キロ減量。食事制限はそろそろやめて、運動

を重点的にやる予定。4年後のオリンピックは目指していない。

美術関係。プッサン(1594〜1665)に凝る。しかし、今週は100号制作中のため、

更新は「特別展示・秋の風景/最新100号裸婦」のみ。

 

00年10月8日

週間経済報告。小康状態。

週間ダイエット報告。順調。71キロ代に突入。食事制限はしていないが、急にそん

なに食えるものではない。運動はたっぷり続けている。

本日(10月8日)は野暮用のため更新できず。

明日新しい塾のページとともに「プッサン」をアップする予定。

野暮用は本当にどうしようもない野暮用なり。

美術関係。今朝NHKの「新日曜美術館」を見る。久しぶり。上野の西洋美術館の常

設展に短歌を添えている話。この前企画のレンブラントで西洋美術館に行ったとき実

物を見た。半分ぐらい短歌も読んだ。面白くない。ま、しかしあってもそんなに目障

りではない。

とにかく西洋美術館の常設は楽しい。懐かしくなる。生まれ故郷に帰って幼馴染みに

会ったような気分になれる。若い頃からさんざんお世話になった美術館。3か月に一

度ぐらいは行きたい。

今日の「新日曜美術館」はつまらない。音楽家とか作家の絵の話はいつも退屈。絵が

まるでわかっていない。よくあれだけ思いつきのデタラメが並べられるものである。

絵画で重大なのは空間と思いを込めた筆触と絵描きの気迫である。絵に言葉は要らな

い。

 

と書いてから、はや一日。何もやってない。

実はプッサンの図版でサン=パウロ美術館展のカタログに載っていたものを使いたい

のだが、そのカタログがどうしても見つからない。ずっと探している。そのうち出て

来るだろうと高を括っていたが、すでに何だかんだで2週間も探している。バカバカ

しい。明日からは日税展である。もうやってられない。

そして、塾のページ。こちらも無理そう。だいたい私は泳ぎすぎである。ごめんなさ

い。

 

00年10月15日

週間経済報告。もちろん最悪ながら月末でないので無事。

週間ダイエット報告。順調。71キロ台を2〜3回カウント。食事制限なし。睡眠不

足だと体重は減る。水泳、散歩は好調。

「プッサン」は例のカタログが見つからず今週も無理。塾のページがついに完成。本

日新規オープン。「かがやく子どもたち」をどうぞ。

美術関係。先週に引き続き今朝もNHKの「新日曜美術館」を見る。渡辺始興の話。

言葉というものは難しい。始興をべた褒め。もちろん褒めるだけの価値はあるのだろ

うが、光琳と比べればいろいろなところで劣る。そこら辺ははっきり言わなければい

けない。始興の特集なのだから褒めるのは当り前だろうが、あんな評論では○×式と

変わらない。もっとキメの細かい話が欲しい。

ところで、日税展では初日、二日と買っていただいた。これだと毎日売れ続けるのか

と喜んだら三日目からぱたりと売れない。ま、これが普通である。ま、また明日から

「縁」を待ちましょう。

本日は塾のページが新規オープン。それでもやっぱり私は泳ぎすぎである。しかし、

もっと泳いじゃいそう。というわけで、今週もごめんなさい。

 

00年10月22日

週間ダイエット報告。順調。ついに70キロ台をカウント。しかし、今週は個展会期

中のため十分泳げなかった。

「プッサン」は依然として挫折中。

美術関係。土曜日の午後10時東京12チャンネルの「美の巨匠たち」を見た。梅原

龍三郎の桜島の絵。テレビ番組なので致し方ないのかもしれないが、とにかく褒めす

ぎ。そんなに凄い絵だろうか? しかし、この前日動展で見た梅原はなかなかよいと

思った。梅原は売り絵を描いていない。他によかったのは中村彜。長谷川利行もあっ

たが、本物かどうか怪しい。しかし、長谷川のタッチではあった。不忍画廊の長谷川

の水彩画「三原山と大島娘」はいい。

それにしても、日動展は売り絵ばかり。ほとんどの絵に絵描きの気合いが全然感じら

れない。いつまでああいう絵がはびこり続けるのだろうか? 

音楽界の方がずっとまともである。若い人に人気のトップテンなどを聴いてもああい

う歌にはちゃんと感動がある。ほとんどが恋の歌だが、正直な恋心を歌っていると思

う。演奏や歌唱にも修練のあとが感じられる。ちゃんとやっている。

クラシック音楽界のことはよく知らないが、ここ2〜30年の音楽の中で歴史に残る

のは今人気の歌謡曲だと思う。絵の世界もああいう方向に行くべきである。何とかな

らないものか?

ま、わたしひとりでも正直に感動して描き続けましょう。メジャーとかマイナーなん

て本質的な問題じゃない。

本日の更新は「今月の絵」。新宿日税アートギャラリー展の写真も入れました。個展

の成果はイマイチ。私が個展を開くと株価が落ちる。まことに不運。これも普段の行

いが悪いせいでしょう。

週間経済報告は止めます。あまりにも凄まじいのでHPにそぐいません。やっぱり経

済報告は「月例」がちょうどいいということでしょうか?

わが学習塾のページもご覧ください。

とうよう塾ホームページ「かがやく子どもたち」です。

 

JR線の中吊り広告に一つだけ深い色合い。原色をちりばめた殺伐とした週間誌の広

告のなかのオアシス。長谷川利行展のポスター「汽罐車庫」だった。あれが1か月間

ラッシュの車内を潤すのかと思うと、それだけ心休まる。

没後 60年 長谷川利行展●  

私は長谷川利行は日本油絵史上最高の画家だと確信しています。長谷川利行展をぜひ

見てください。絶対おすすめ。わがHPでは今度の長谷川利行展を見た感想「いい絵

は売れない―歿後60年長谷川利行展」をアップ中。

また、以前に掲載した「絵の話:日本のもっとも偉大な油絵描き=長谷川利行の絵」

も再掲載中。

10月14日(土)−11月19日(日) 東京ステーションギャラリー

 

00年10月29日

週間ダイエット報告。順調。

「プッサン」は相変わらず挫折中。

どうも『絵の話』をクラシック絵画の解説に限定するのは無理がある。今書いている

のは「コレクター考」。しかし、こちらも今夜中にはアップできそうもない。さらに

画像を交えた画歴を作ろうかと企てている。油絵処女作、石膏デッサンから固定ポー

ズの人体油絵なども含めた大作。

塾のほうでは、「三田佳子の二男問題」をやろうかと思ったが、今日のテレビで「二

男が中学生のときに小遣い毎月40〜50万円」と聞いてばかばかしくなった。頭が

いかれている。話にならない。ま、「教育」などという段階ではない。自分が子ども

の頃のことを覚えていないのだろうか? 中学生にそんなに金が要るか? 最近のわ

たしの小遣いはおそらく月に400円にも達していない。借金をしないですませるこ

とばかり考えている。それにしても高2の息子とわたしの感想がぴったりあった。

「ああ、三田佳子の二男の友だちになりてぇ」

本日の更新はなし。わが学習塾のページもご覧ください。

とうよう塾ホームページ「かがやく子どもたち」です。先週「英語学習はこれだ!」

をアップしました。

 

00年11月5日

週間ダイエット報告。節食解除で食い過ぎ。71〜2キロを行ったり来たり。

「プッサン」は依然として挫折中。

11月3日。娘の大学の学園祭に行く。白金の明治学院大学。帰りに鷹美(今週の

「絵の話」のころに通っていた美術研究所)をちらと見る。変わらぬ様子。猫もいた。

11月4日。(話題の)長野県に潜入。と言っても噂の長野県庁を視察したのではな

く、佐久の梅野記念絵画館に喜多村知展を見に行く。遠かったぁ!(金がないので車

で日帰り)喜多村先生の絵はカタログよりずっといい。何度も言うが、わたしの絵を

褒めてくれた先生。4時間かけてやっと着く(午後1時半ごろ)。梅野館長は嵐のよ

うに絵の話をしてくれる。ナント3時間。しゃべりっぱなし。帰りは心配したように

渋滞に巻き込まれ帰宅時間は夜11時前。生きていたのが不思議なくらい。本音を言

うと、あの物凄く空気のいい佐久の森を少し散歩したかった。だって絵の話はほとん

ど知っていることばかりだし、館長の説はわたしと同じ。聞かなくても一目目を見れ

ばわかるでしょう。しかし、館長室の長谷川利行を見せてもらったのは嬉しかった。

そして本日先週ここで述べた「画像を交えた画歴」を作ろうかと思ったが、そんなも

の1日でできる仕事じゃない。絵を探すだけでも大仕事。少しずつやります。

と言うわけで本日の更新は『習作時代2』

 

 

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